2024年3月国連総会で初のAI決議採択 事務総長発言 国連広報

国連

AGI進化と社会変動研究所 代表      軽快歩行星人 花亀友鳥

  • 【国連総会でのAI決議】2024年3月21日 国連総会において初めてAIの安全や信頼性の確保を求める決議が採択されました 米国が提案し、中国と他の121カ国が共同提案国に加わりました 総会の決議には法的拘束力はないものの、国際社会の意思が示されることになりました

主な内容は次の通りです

途上国におけるAIへのアクセス拡大やそのための支援を求め 安全を確保するための規制や枠組みの構築を呼びかけた また「AIシステムの不適切または悪意ある設計、開発、展開、使用は人権や基本的自由の保護、促進、享受を損なうリスクを招く恐れがある」と指摘

アメリカ政府当局者の話は次の通りです

AIに関する史上初の真の世界的なコンセンサス文書 この決議は開発の促進と人権保護の継続における適切なバランスを取っていると確信している 多くの白熱した会話があったが、中国やロシア、キューバなど、多くの場合に見解が異なる加盟国と積極的に関与した

トーマスグリーンフィールド アメリカ国連大使の話は次の通りです

この決議は今後我々がAIにどのように対処していくか、その土台を築くものだ。全加盟国が同意したというのは非常に強いメッセージとなった 気候変動対策など地球規模の課題の解決にAIの技術を活用していくべきだ われわれは、テクノロジーに支配されるのではなく団結することで、テクノロジーを統治するチャンスと責任がある 法的拘束力のある措置を実行できる国連安全保障理事会には持ち込まない考えである

国連総会AI決議採択 ロイター (reuters.com)

国連総会AI決議案を採択 日本経済新聞 (nikkei.com)

AI 決議案採択 国連総会   NHK(nhk.or.jp)

  • 【事務総長の話】 2024年2月7日国連総会でのアントニオ・グテーレス事務総長の話が、国連広報センターから発表になっています

(抜粋)私たちは、SDGsを前進させるために、テクノロジーの力も活用しなければなりません。

医療から教育に至るまで、そして気候行動から食料システムに至るまで、生成AIは、包摂的で環境に配慮した、持続可能な経済と社会を築くための最も重要な、可能性を持つツールです。

しかしAIは、すでに偽情報、プライバシー、偏見をめぐるリスクを生んでいます。

非常に限られた企業と、さらに限られた国に集中しています。

テクノロジーは、不平等を軽減するものでなければならず、不平等を再生産したり、人々を互いに戦わせたりするものであってはなりません。

AIは人類すべてに影響を及ぼすため、対処には普遍的なアプローチが必要なのです。

「人工知能(AI)に関する諮問機関」(註)は、国連が担う中心的な招集の役割、すなわち各国政府、民間企業、学術界、市民社会を結集する役割を反映しています。

諮問機関の勧告は、「未来サミット」での採択が提案されている「グローバル・デジタル・コンパクト」に取り入れられる見込みです。

私たちは、適切な防護柵と倫理基準を確保し、透明性を促進し、開発途上国の能力を高めるべく、迅速に行動し、創造性を発揮し、協力し合わなければなりません。

AIは、「人の介在」に取って代わるべきものではありません。

それは、人間によって創り出されたものであり、常に人間の管理下に置かねばならないのです。

アントニオ・グテーレス国連事務総長2024年の優先課題に関するアントニオ・グテーレス国連事務総長の総会発言(ニューヨーク、2024年2月7日) | 国連広報センター (unic.or.jp)

註 「人工知能(AI)に関する諮問機関」

アントニオ・グテーレス国連事務総長が2023年10月26日に立ち上げたAIに関する諮問機関

国連の新たな諮問機関(UN News )日本語訳 | 国連広報センター (unic.or.jp)

  • 【AIに関する諮問機関のメンバー】「人工知能(AI)に関する諮問機関」は世界中の39名の専門家で構成されています。メンバーはジェンダーのバランスがとれており、地理的にも多様で、多世代にわたっています。【日本から2名が選ばれています】次の2名です

Hiroaki Kitano, Chief Technology Officer of Sony Group Corporation, Japan

北野 宏明 ソニーグループ株式会社 最高技術責任者

Arisa Ema, Associate Professor at the University of Tokyo, Japan

江間 有沙 | 東京大学未来ビジョン研究センター (u-tokyo.ac.jp)

  • 【国連広報センター広報資料】 国連広報センターより2023年12月付広報資料が出ております その中で国連グローバル・コミュニケーション局メリッサ・フレミング事務次長 の寄稿文「戦時下で情報の誠実性をどう守るか」を掲載しています 今後のAI技術が起こす急速かつ急激な状況変化について発言していますのでここに掲載いたします

(抜粋) そして私たちは、もう一つ、重大な問題について警鐘を鳴らしています。関連するヘイトスピーチや誤情報・偽情報がすでに蔓延し、ソーシャルメディアのフィードにあふれ、認識をゆがめ、さらなる暴力を引き起こすおそれがあるのです。特にこうした状況では、肥沃な温床に憎悪が広がります。

デジタルプラットフォームは、このような時代にあって両刃の剣です。一方においては貴重なニュース収集ツールとして、私たちを リアルタイムで出来事へと近付け、他方では同じプラットフォームが同時に人々の目を 欺いてもいるのです。ソーシャルメディアは長らく、虚偽の、憎悪に満ちた、扇動的なメッセージを拡散しようとする者たちにとって便利なツールであり続けています。

このことは、ニュースを伝える際に、オンライン上に流れる動画や画像、音声を検証することが、すべての善良なニュース編集室の中心的業務になることを意味します。感情が高ぶり、欺瞞が渦巻く「戦場の霧」の中でのこうした業務は、これまで以上に困難になります。

AI 技術が、急速かつ急激に状況 を変化させつつあります。ベテランのジャーナリストやファクトチェッカーでさえ、今やリアルタイムで情報を検証するのに苦労しています。

国連はプラットフォームに対して、有害コン テンツの拡散に対する独自の防護柵の構築を強化するよう求めてきました。EU がプラットフォームに対し、デジタルサービス法の遵守を求めていること、そして一部のプラットフォームが自ら講じている措置の概要を示してそれに応えていることを、心強く感じています。

しかし、現在の取り組みが到底十分でないことは明らかです。 研究者たちは、ヘイトスピーチや誤情報・ 偽情報の実際の拡散状況を定量的に測定し、オンラインの危険に対抗する現在の取り組みがどの程度機能しているのか、いないのかについて評価するために、信頼できるデータにアクセスすることができなけれ ばなりません。冷静な解決策には、冷静な分析が必要なのです。

すべてのソーシャルメディアユーザーに向け て、2つのことを緊急に呼びかけます。第一に、忍耐強くあってください。私たちは皆、24 時間ひっきりなしの情報アップデートに慣れてしまっています。しかし、このような 汚染された情報環境下では、それを維持することはできません。

第二に、用心深くあってください。私たちの多くが、恐れ、憤慨し、悲嘆に暮れており、その場の勢いで反応したくなることもあるかもしれませ ん。しかし、往々にしてフェイクが拡散するのは、まさにフェイクがこうした感情を引き起こし、投稿内容の真偽を確認せずに私たちが共有してしまう可能性を高めるからなのです。嘘は事実よりも数倍速く伝わる、 これは研究で明らかになっています

(以上が寄稿文の抜粋です)

国連広報センター広報資料2024年12月vol.106 dlun106.pdf (unic.or.jp)

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